戦場にたどり着くまでは歩兵輸送の手段として兵員輸送船やヘリでの輸送など、徒歩以外の手段が用いられるケースも多々あったが、戦場でI=Dや戦車に騎乗せず徒歩で戦うならば歩兵と呼称される。
一般的な装備を以下に述べる。
歩兵は戦場によりその装備を変え適応していたが、基本的には下記のものが携行された。
○白兵装備
・ナイフ
・銃剣
ナイフは大型のシースナイフー折りたたみでない、鞘付のナイフーが配備された。
歩兵の訓練過程にはナイフ格闘術が組み込まれており、閉鎖空間内での戦闘や、銃弾が尽きた際の戦闘などに備えた。
また、ナイフは歩兵が作戦行動中遭難などで装備を失った際に、このナイフ一本で生き残ることができるように配慮された作りになっている。
背に鋸歯、鞘には釣り糸や釣り針・医薬品など様々な仕掛けが施された。
もちろん生き残ることの一つには敵との戦闘も含まれるため、十分な強度がとられている。
銃剣は小銃のように比較的長さのある銃の先に取り付ける、あるいや銃に一体化している刀剣である。
銃を槍のようにして使い、白兵攻撃を行うことができる。
また、塹壕を掘るためのスコップの代用としても使われることがあった。
○近距離装備
・9mm自動拳銃
・9mm機関拳銃
・手榴弾
自動拳銃は各兵員により護身用として装備された。
9mm拳銃弾をフルオートで発射する9mm機関拳銃は、野戦で使用するには頼りない装備であったが市街戦においては重用された。
手榴弾は投擲、爆発させ破片による攻撃を行う目的のもののほか、発煙剤や照明剤などを使用したものも配備され、目的に応じて使用された。
○中距離装備
・突撃小銃
・5.56mm軽機関銃
中距離装備としてはおよそ300mの射程を持ちセミオート、3点バーストでの発射機構を持つ5.56mm口径の突撃小銃が配備された。
分隊支援火器としては同5.56mを使用した軽機関銃が各分隊に配備され、弾幕の形成・制圧に使用された。
○遠距離装備
・7.62mm機関銃
・81mm迫撃砲、120mm迫撃砲
7.62mm機関銃は有効射程500mで、一分に500発もの弾をばらまいた。7.62mm機関銃を運用する隊には同時に大量の弾薬が配備され、大いに弾幕を形成した。
迫撃砲は高い射角を取り山なりに砲弾を打ち上げる兵器。少人数で運用が可能で、操作も比較的容易だったため砲兵ではなく歩兵に支援砲撃用として配備されることが多かった。
○衣服など
・歩兵服
・戦闘服
・防弾チョッキ
通常勤務服としての歩兵服、戦闘時に着用する戦闘服、防護強化のための防弾チョッキなどが配備された。
歩兵服はもしもの際、敵との遭遇戦になっても耐えうるだけの強度・運動性能が保持されている。
○その他
・小型無線機
・救急医療セット
・携行食糧 等々‥
戦場で統率・連携のとれた作戦行動をするために無線機は欠かせない装備である。
鎮痛剤や消毒液などが入った救急医療セットは、生身で戦場を渡り歩き負傷の多い歩兵の命を多く救った。
携行食糧は各個人に配給され、歩兵たちのカロリー摂取に役立ったが軍隊の常として味は良くなく、平然とした顔で支給もののコーヒーを飲み干せたら歩兵として一人前、といった洒落が出るほどであった。