「歩兵でないといけないし、輸送手段もいる。火砲も欲しい。少数精鋭だから選抜もしたい」
「そうかぁ……フル装備、なのね」
〜ある夫婦の相談会話

兵としての海兵隊

 海兵隊は海という文字から、海上での戦闘を想像しがちであるが、実際にはそうではない。
歴史上においては船舶同士に橋をかけ、相手の船上に切り込み制圧作戦を行うこともあったが、現代においては同様のことが行われることはまずないと言っていいだろう。
現代においての海兵隊の本分はあくまでも歩兵としての戦闘や哨戒、特に上陸作戦や早期展開により相手の出端をくじき殲滅するといった作戦行動にある。

 歩兵砲装備についても特徴として挙げられるだろう。
基本的な路線として「火力はI=Dに任せる」というのがあるが、個人装備に軽迫撃砲、隊装備として中迫撃砲や榴弾砲を多く採用し、歩兵としてもある程度の火力を有している。
いわゆるところの歩兵砲装備を強化しており、これらは砲兵科でなくとも取り扱いが可能な火砲となっている。
ゆえに一般的な火力支援要請の手順を踏まなくとも自前で支援を行うことが可能という利点がある。

 また、少数精鋭の選抜部隊として設立されたため、少人数でも相応の硬さ―装甲―が求められた。
これについては体力トレーニングの強化や装甲装備の研究開発、防御陣形の研究などさまざま対策が練られた。
結果としては教官役としてACEの若宮泰光氏が就任したことにより、走りこみの強化、筋力トレーニングによる体格強化などマッシブな方向へ進むこととなった。
氏はみなし職業に歩兵やマッスルスリンガーを有しており、さらに装甲において絶大な能力を有していた。これらを伝授することにより海兵隊は大幅な装甲強化に成功したのである。

 もちろん装備や陣形も充実が図られたが、それにもましてマッシブな方向での強化がなされたことを付記しておこう。
ミサ・とよ:特殊部隊員